予定変更への対応力 - 寝坊から学ぶ、経営判断もマラソンも同じ
朝5時に目覚めた衝撃
目覚まし時計は、4時に鳴っていたはずだ。
だが、目が覚めたのは5時。
1時間寝坊した。
昨日、初夏の朝4時半ランの素晴らしさについて書いたばかりなのに、今朝に限ってこれだ。
正直、がっかりした。
「あ、今日の朝ランは終わりだ」と思った。5時に起きて、朝日はもう高く上がっている。涼しさも失われている。朝4時半ランの「最高の条件」は全て失われていた。
だが、その時、ふと思った。
「それでも、走るのか、やめるのか」
これは、単なるランニングの選択ではなく、リーダーシップの本質を問う問いだ。
理想のシナリオ vs 現実
ビジネスの世界では、このシナリオがいつも起きる。
理想のシナリオ
- 計画通り:朝4時半起床 → 4時45分に日の出を迎える → 涼しい中で脂肪燃焼効率2倍のランニング → 判断力が30%向上した状態で経営判断
全て完璧。全て計算通り。
現実
- 寝坊:朝5時起床 → 日の出はもう過ぎている → 気温は18℃から20℃に上がっている → 脂肪燃焼効率は1.3倍に低下 → 判断力の向上は15%程度か
完璧なシナリオが失敗した時、多くのリーダーは、こう考える:
「計画が破綻した。では、キャンセルしよう」
だが、ここで、別の選択肢がある:
「計画は失敗したが、それでも実行しよう。ただし、新しい条件下で」
5時のランニングを選んだ理由
朝5時に起床した私は、迷わず走ることにした。
理由は3つ。
理由1:実行することの価値
完璧な朝4時半ランより、不完全な朝5時ランの方が、価値がある場合がある。
なぜか?
習慣の維持だ。
朝ランを習慣化するなら、「完璧な条件でしか走らない」という柔軟性のなさは、むしろ危険だ。
なぜなら、人生は常に「予期しない変数」で満ちているから。
子どもが病気になるかもしれない。仕事が長引くかもしれない。天候が悪いかもしれない。
そんな時、「計画通りにいかないから、やめよう」というマインドセットでは、習慣は続かない。
逆に、「条件は不完全だが、それでも実行する」というマインドセットを持つ人は、習慣が続く。
理由2:対応力がリーダーシップの本質
これは、経営判断と全く同じだ。
経営計画を立てるのは簡単だ。でも、現実は計画通りにいかない。
- 予想外の競合が現れる
- 市場が急変する
- 社員が突然辞める
- 商品の不具合が見つかる
「計画通りにいかないから、会社を閉じよう」と言う経営者はいない。
逆に、予期しない事態の中で、いかに実行するか が、リーダーシップの本質なのだ。
朝5時のランニングは、その「対応力」の小さな訓練だ。
理由3:責任感
明日は、米国の Memorial Day(戦死者追悼の日)だ。
Memorial Day は、米国の祝日の中でも、最も厳粛な日の一つ。戦死した兵士を追悼し、彼らが守ったものを改めて考える日。
米国の兵士たちは、「計画通りにいかないから、ミッションをキャンセルしよう」と言うだろうか?
いや、そうではない。
彼らは、予期しない事態の中で、それでも責任を果たすことを職業とする人たちだ。
朝5時のランニングは、その「責任感」への小さなリスペクトだと思った。
完璧な計画より、それでも実行する覚悟。
それが、リーダーシップの本質だ。
実行した結果:何が起きたか
朝5時に走り始めた。気温は20℃。もう日の出は過ぎていた。
当然、朝4時半ランの「最高の状態」ではない。
だが、予想と違うことが起きた。
走っている途中、体の軽さが違った。
なぜか?
理由は、シンプルだ。
「寝坊という失敗を、自分が克服した」という心理的な勝利。
朝4時半に完璧に起床して、完璧に走った日より、心の充足感があった。
これは、スポーツ心理学で言う「メンタルの強化」だ。
小さな逆境を乗り越えることで、脳は「自分は困難に対応できる」という信頼を、自分に対して醸成する。
ビジネスにおける「予期しない変数」への対応
では、これをリーダーシップにどう応用するか?
ケース1:市場の急変
計画:新製品を6月1日にローンチ 現実:2週間前に、競合他社が似た製品をローンチ
対応力がない経営者:「計画がダメになった。ローンチをやめよう」 対応力がある経営者:「計画は変わったが、それでも実行する。ただし、新しい戦略で」
ケース2:チームの急な変動
計画:プロジェクトを3人のチームで進める 現実:プロジェクト開始の直前に、1人が辞める
対応力がない経営者:「チーム編成が破綻した。プロジェクトをキャンセルしよう」 対応力がある経営者:「チーム編成は変わったが、それでも実行する。役割分担を変えて」
ケース3:経営判断のトリレンマ
完璧な情報があるまで、判断しない → 判断機会を失う 今ある不完全な情報で判断する → リスクがある
だが、ビジネスでは、不完全な情報の中で、判断を下さなければならない 場面がほとんどだ。
その時、リーダーに必要な能力は:
「不完全さを受け入れながら、それでも責任を持って実行する」という対応力
「完璧性」と「実行性」
よく、こういう議論がある:
「完璧を目指すべきか、実行を優先すべきか」
だが、これは二者択一ではないと、今朝のランニングで気づかされた。
むしろ、最高のリーダーシップとは:
「完璧に向けて努力しながら、同時に、不完全さと向き合う覚悟を持つこと」
朝4時半起床という完璧な計画を目指す。
だが、万が一寝坊したら、朝5時のランニングで対応する。
その両立が、レジリエンス(回復力)であり、リーダーシップなのだ。
明日の Memorial Day を思う
明日は、米国の Memorial Day。
戦死した兵士たちを追悼する日。
彼らは、完璧な計画の下で戦ったわけではない。
想定外の敵、想定外の地形、想定外の状況の中で、それでも責任を果たした。
彼らの「対応力」と「責任感」に比べれば、朝の寝坊は、本当に小さなことだ。
だが、その「小さなこと」の中に、本当に大切なものが詰まっている。
計画が破綻した時に、いかに対応するか。
その瞬間に、リーダーシップの本質が現れる。
朝5時のランニングは、その小さな訓練だ。
さあ、予期しない事態に強くなろう
経営判断を迫られるあなたへ。
部下を持つマネージャーであるあなたへ。
完璧な計画を立てることは、もちろん大切だ。
だが、同時に、計画が破綻した時に、いかに対応するかを、常に想定しておくことが、さらに大切だ。
朝4時半ランが理想だが、朝5時ランでも走る。
その柔軟性が、組織全体のレジリエンスになる。
その覚悟が、部下への信頼になる。
予期しない事態は、来る。
その時に、あなたは、どう対応するか。
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